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この商品を購入した人は何歳?

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マーケティング分野において顧客データを分析する理由の一つに、顧客に対して一律的なコミュニケーションを行ったり施策を実行するのではなく、顧客の属性に応じて打ち手を変え、それによって反応率を向上させるというものがあるかと思います。若年層の女性に対するオファーと高齢の男性に対するオファーは変えるべきだということに異論を唱える人はいないでしょう。いわゆる顧客セグメンテーションという世界です。ただし、それには自社の顧客データに多様な属性が紐付いていなければならず、単純な性・年代・購買履歴だけではセグメンテーションのキーとして「そもそも足りなかった」り、施策実行の初期段階では良かったとしても、施策を重ねていくうちに「足りなくなってしまう」場合があるのではないでしょうか?
一番てっとり早いのは、顧客一人一人にアンケートを取って回答してもらうことですが、プライバシーの観点や手間暇、費用面で現実的には難しい場合が多かったりします。
前置きが長くなりましたが、本コラムでは、顧客の位置情報と小地域単位の統計データを組み合わせることによって、自社の顧客データの属性を「よりリッチに」する手法をご紹介します。

小地域統計データとは?

マーケティングに活用される統計データで一番メジャーなのが国勢調査です。総務省よりインターネット上で公開されている地域の最小単位は市区町村単位ですが、GIS(地図情報システム)では500m四方のマス目単位だったり、町丁目単位で分析することができます。全国の町丁目単位で年齢構造や世帯構造、住宅関係や職業などの分布を把握することができます。

町丁目単位の統計データのレイアウトイメージ

顧客の位置情報(住所)をマッピング

下の地図は、化粧品を購入した顧客とサプリを購入した顧客を、位置情報(住所)からマッピングしたものです。水色の□印の顧客は化粧品を購入した顧客、ピンク色の◇印の顧客はサプリを購入した顧客を表します。

商品別顧客分布

例)年齢構造のプロファイリング

上記地図では、顧客分布とどの商品を購入したかもわかりますが、それ以外の情報は持っていません。そこで各顧客の住所(町丁目)とその町丁目が持つ統計データ(国勢調査)を紐付けることによって、例えば年齢を推定してみます。

顧客属性に町丁目単位の年齢構成比を付与上の表は顧客リストです。縦軸は一人ひとりの顧客を表し、横軸は各顧客住所の町丁目単位の年齢構成比となっています。国勢調査は日本国内の1億2,700万人にアンケートを取っている最大級のリサーチデータで、この統計データと組み合わせることで年齢の構成比が意味を持つことになります。つまり一番目の顧客は理論上、16.75%の確率で20代であるということが言え、14.30%の確率で40代であるということがいえます。

このようなデータを全体で集計したものが下のグラフです。

商品別購入者年齢の推定青いラインは化粧品を購入した人の年齢構成で、オレンジ色のラインはサプリ購入者です。化粧品は40代前半に支持され、サプリは50代ということが推察されます。

終わりに

このような知見を得て、顧客セグメントのキーにしたり、実際に商品ごとに選んでいたコミュニケーションコンセプトを見直すことによって、更なる販促ROI(費用対効果)の向上につなげていくことができます。顧客属性をリッチにできる指標は年齢だけではなく家族構成や居住している住宅、職業、富裕度など様々なものがあります。