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立地分析に時間と曜日の軸を加える

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駅前立地や繁華街立地に出店する形態のチェーン企業において、曜日別や時間帯別の滞留人口の分析ニーズが高まっています。今回のコラムではGPS位置情報をソースとしたデータを活用した新しいエリアマーケティングの観点について解説します。

立地を判断する際のデータベース軸

下の3つの写真をご覧ください。それぞれどういう場所かイメージいただけるかと思います。左は住宅地、真ん中はビジネス街、右は繁華街(商業立地)というところでしょう。それぞれの立地は明らかに異なっています。従来の商圏分析、エリアマーケティングではこの3パターンの立地を分析するデータとして、それぞれの写真の下に記載している系統のデータベースを用いていました。夜間人口系は国勢調査(総務省)や住民基本台帳(各自治体)、昼間人口系はリンク統計(総務省)に含まれる昼間人口、商業人口系は商業統計(経済産業省)という公的な統計データを活用して来ました。

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しかしながら3つの写真をよく見ると、曜日や時間帯という概念とも密接に関連している立地ということもわかります。左の住宅地は夜、真ん中のビジネス街は平日や通勤時間帯、右の繁華街は土日というイメージです。つまり曜日や時間帯という軸を加えないとこの3パターンの立地を分析しきれないということも言えます。

時間・曜日を把握するGPS位置情報データ

近年、スマートフォンの普及に伴い、GPSを利用した位置情報データが増大してきており、それをマーケティングに活用する環境も整ってきました。GIS(地図情報システム)にもGPSから開発した時間帯別・曜日別の滞留人口データベースを搭載したり、任意地点のGPSデータを抽出して分析したりという機能が実装されたりしています。ここからは具体的に時間帯別・曜日別の商圏分析のイメージをご紹介します。

新宿周辺の滞留人口の比較

下の地図は東京都の新宿駅周辺の滞留人口の分布です。メッシュという四角いマス目単位で曜日別、時間帯別に集計されたデータベースを見える化しています。左の地図は平日14時の滞留人口の分布、右の地図は休日14時の分布です。赤色や黄色のメッシュは滞留人口が多いことを表しています。

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平日は西側が多く、西新宿の高層ビル郡で勤務する人が多いことがわかります。休日は新宿駅を中心とした百貨店や商業施設が立地するエリアや東側の繁華街に集中していることがわかります。曜日や時間帯でターゲットの分布が異なっているので、このようなデータを活用すれば、従来の静的な公的統計データだけでは得られない知見が得られ、適切な判断ができるようになります。

時間帯別の立地タイプ

滞留人口の時間帯別の変化には一定の特長が見られます。代表的な3つのパターンをご紹介します。駅前立地ということで、駅を中心に半径500mの円を設定し、その圏内の時間帯別の滞留人口をグラフ化しました。グラフの縦軸は滞留人口数、横軸は時間帯です。青線は平日、赤線は休日を表します。

大手町駅周辺

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典型的なオフィス街の傾向です。平日(青)と休日(赤)で滞留人口のボリュームが大きく異なります。平日は朝各エリアは通勤で大手町に集まってきて、仕事終わりの夕方以降、このエリアから流出して行っていることがわかります。超オフィス街なので休日の人の滞留は極端に少ないことも特長です。

青葉台駅周辺

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神奈川県内にある駅です。都内に勤務する方が多く居住するいわゆるベッドタウン。平日は周辺住民が通勤・通学のために駅に滞留人口が集中します。都内で勤務、勉強した後、夕方から夜にかけて自宅に戻ってくるという傾向です。平日は住宅立地の傾向を示していますが、休日の昼間の時間帯はこの駅周辺の商業施設を利用する人の滞留も見受けられます。

みなとみらい駅周辺

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横浜市でオフィス立地と繁華街立地が混在する駅(エリア)です。平日は大手町を同じく朝から夕方にかけて勤務する人々の傾向がわかり、休日は商業エリアに来訪する人のボリュームが大きくなっています。

終わりに

商圏分析やエリアマーケティングにける立地判断軸に、時間帯別・曜日別の要素が加わっています。マーケットボリュームだけではなく、最適な人員配置や販促にも繋げられるのではないでしょうか?より具体的な事例などを紹介するセミナーが定期開催されています。
詳しくは下記をご参照ください。

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