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商圏ボリュームが同じでも売上が異なる理由

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支援している小売チェーン本部のご担当者様から、こんなご相談を受けました。
既存店の商圏分析を行っており、隣り合う2つの自社店舗を比較しているが、商圏ボリュームがほとんど同じなのに売上が倍程度異なるということです。
店舗はそれぞれ商圏人口は半径2km圏で約4万人、世帯数は約1.7万世帯、年齢構成は年少人口約5500人、生産年齢人口約28,000人、高齢者人口約7,000人と変わらないそうです。

さすがに上記の指標だけではいささか荒っぽいので、5歳刻みの性・年代別人口や人員別世帯数(単身世帯やファミリー層などの指標)も確認しましたが、大きな違いは見受けられませんでした。
勿論、店舗の売上を構成する要素は商圏データだけではありませんが、どういうことなのでしょう。

商圏の質を把握する

商圏ボリュームだけではなく、商圏の質を把握するというのが昨今の分析トレンドです。
年齢構成や世帯構成という基本的な指標だけでは商圏の質はわかりません。あらゆる確度から商圏の構造を読み解く必要があります。そこで、どんな住宅に住んでいるのか?どんな職業に付いているのか?富裕度はどうなのかというような指標も併せて2つの商圏を分析してみました。

分析対象のデータ項目が多くなればなるほど、人間による判断は困難になります。当社では、予め居住特性を表す約80指標を主成分分析やクラスター分析によって全国の町丁目を30パターンに分類したデータベースを活用しています(居住者プロファイリングデータ)。

下図は2つの商圏を町丁目単位で色分けしたものです。赤系の色と青系の色にはっきり分かれているのがわかります。

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2つの商圏を町丁目単位で色分け

 下図のレーダーチャートは、商圏特性を表す9つの因子スコアというもので2つの商圏を比較したものです。

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商圏特性を表す9つの因子スコア

 このデータと分析手法によって、違いがわからなかった2つの商圏の違いがわかるようにりました。

1つ目の店舗商圏のキーワードは、「富裕度が高い」「ニューファミリー世帯」というもの。
2つ目の商圏は「高齢者」「公団住宅」「ブルーワーカー」と解釈できます。

 

質的な差異が大きいエリアだということがわかりました。

 

単純な商圏ボリュームの比較ではわからなかった違いが、データ分析を積み重ねることによって判断できるようになります。
このような分析も有効ではないでしょうか。