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データを用いた店舗の出店候補エリアの検索(2)

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前回のコラムでは、出店候補エリアの検索をテーマに、統計データからエリアを検索する手法をご紹介しました。各社によってターゲットエリアは異なりますが、誰もがイメージできる東京の新宿や大阪の難波を例として、そこと同じ商圏ポテンシャルを持つエリアを検索しました。しかしながら若者が多く集まるエリアという課題があったとして、新宿や難波だけがターゲットエリアではありません。例えば東京の下北沢なども想像できるでしょう。

今回は下北沢の商圏特性を把握し、同じポテンシャルを示すエリアを東京都内から検索してみました。

下北沢はどんなところ?

下北沢のエリア定義

実は下北沢という地名は存在しないので、下北沢駅から徒歩15分圏と定義します。

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上の地図の青いラインは下北沢駅を中心とした徒歩15分圏です。道路を分速80mで移動するという結果となります。右の表は15分圏にかかる町丁目の一覧です。横の数値は15分圏に町丁目の面積がどれだけかかるのかという面積占有率です。面積占有率が低い町丁目は除外しています。今回は代沢1丁目~北沢4丁目までを下北沢商圏と定義します。

◯下北沢エリアの商圏特性

各種統計データを用いて下北沢商圏の特長を見てみます。GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™」で自動作成できる調査レポートから、以下のグラフを見ていきます。

 

【年齢構成】

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左の青が男性、右の赤が女性、上が85歳以上人口、下が0~4歳人口という5歳ピッチの正年齢別の人口ピラミッドです。棒グラフは実数で、折れ線グラフは構成比を表します。緑色の折れ線は日本全国、赤が東京都、青が下北沢エリアとなります。

3種類の折れ線グラフから、特に20代後半と30代前半の人口が目立ちます。

 

【世帯構成】

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左から1人世帯、2人世帯・・・という人員別世帯の構成比で、上のグラフは下北沢エリア、真ん中が東京都、下が日本全国を表します。下北沢エリアは単身層(濃い青)の比率が非常に高いことがわかります。

 

【住宅関係】

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左のグラフは持家か借家かという軸です。濃い緑が持家比率ですので、借家比率が高いです。
真ん中のグラフは一戸建か共同住宅かという軸。薄紫の共同住宅比率が高いです。
右のグラフは共同住宅の中で何階建ての建物かというもので、茶色は1~2階建ての共同住宅、つまりアパートの比率が高いことがわかります。

 

【小売業の業種別従業員構成比】

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年齢と世帯人員、住宅関係は居住特性を読み解く場合によく用いられますが、商業性も見なくてはいけません。上のグラフは小売業の業種別の従業員構成比です。同じく上が下北沢エリア、真ん中が東京都、下が日本全国となります。織物・衣服・身の回り品といういわゆるアパレルに従事する従業員の構成比が高く、百貨店やGMS(総合スーパー)が無いことがわかります。

 

下北沢型のエリアを検索

エリアの条件設定

このようにベンチマークとなるエリアの商圏特性を読み解いたら、データ上同じ属性を持つエリアをGIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™」で検索していきます。

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上の画面は条件入力画面です。東京都内から1km四方メッシュ単位で、20代後半~30代前半の人口が多く、単身世帯が多く、低層住宅が多く、アパレル関係の従業者が多く、百貨店や総合スーパーが無いエリアという条件を設定しました。

 

検索結果

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上図の赤い部分が該当する1kmメッシュです。新宿や渋谷といった高商業集積エリアではないエリアが抽出されています。

今回は東京都だけで、ターゲット指標のボリュームが多いエリアを検索しましたが、勿論全国から検索することもできます。その際にはボリュームだけではなく、構成比で検索したほうが良いかも知れません。いずれにせよ探索的に自社にとっての優先エリアを探していくことができます。