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自社のターゲット像を統計データの組み合わせから定義する

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GIS(地図情報システム)と小地域単位の各種統計データを用いて、自社のターゲットがどこにいるのか、自社店舗の商圏内のターゲットボリュームはどのくらいか、といった分析はエリアマーケティングにおける基本的な活用用途です。ここで言う統計データとは、国や自治体が調査している人口や事業所についての調査データのことです。代表的なものとして国勢調査や経済センサスがあります。これらの調査結果(数値)は、町丁目やメッシュ(500m四方のマス目など)、郵便番号界単位などの小地域単位で集計されているので細かくエリアターゲティングを行うことができます。
消費者・生活者をターゲティングする際に業界・業態を問わず広く分析に用いられるデータ項目の代表例は国勢調査に含まれる「性・年代別人口」と「人員別世帯数」でしょう。性・年代別人口は、例えば20-24歳の女性人口、人員別世帯数は1人世帯数というような項目です。高齢者が多い商圏なのか、1人暮らしの若者が多いのか、ニューファミリー世帯が多いのかによって、店舗のコンセプトや販促エリアも変わってくるでしょう。
このように自社のターゲット像に合致するデータ項目が最初から存在していれば問題ないのですが、元来統計データはマーケティング用に調査・設計されている訳ではないので、そのままでは足りないことがあります。そこで様々なデータ項目を上手く組み合わせて、自社のターゲット像を定義する「工夫」が必要になってきます。以下ターゲットイメージとそれをデータ項目の組み合わせから定義した事例を紹介していきます。

 リフォーム需要

ホームセンター業界や家電量販店などで多いターゲットの定義です。リフォームニーズがあるライフステージ(年齢)、リフォームすべき住宅(古い、広い、一戸建て)、リフォームできる経済的余裕(富裕度)という観点の例として以下のような項目を用いる場合があります。


 買物人口

一口に人口といっても色々な人口があります。代表的なものは夜間人口と昼間人口です。夜間人口は住んでいる場所、昼間人口は働いている場所、勉強している場所(学校)ということです。夜間人口は国勢調査や住民基本台帳で把握でき、昼間人口は総務省のリンク統計という統計に収録されている項目です。物を購入するシーンとして、自宅の周辺で買物をする場合と、通勤・通学途中の場合は勿論のこと、週末などに買物に出かけるという場合もあるでしょう。買物人口(商業人口とも言います)とは、経済産業省の商業統計に含まれる小売業年間販売額を◯◯人というように変換・推計したデータです。小売業年間販売額が高いエリアということは、より多くの人がそのエリアにやって来て買物をしているからという発想です。夜間人口と昼間人口、買物人口をエリアマーケティング三大人口と呼ぶこともあります。計算式としては詳細は割愛しますが、ざっくり記載すると以下となります。
買物人口

 生鮮三品

生鮮三品とは、食料品のうち、魚・肉・野菜の3つを指します。スーパーマーケットに代表される食品を扱う小売業で多く使われる指標です。総務省の家計調査年報を基にした推計消費支出データを用いて自社店舗の商圏内の生鮮三品の年間総消費額を把握します。
推計消費支出データは約600品目や消費カテゴリ毎に年間消費額を収録しています。例えば、食料という大カテゴリの中に魚介類合計という中カテゴリがあり、更に鮮魚と貝類に別れ、小カテゴリにはまぐろ・あじなど品目ごとの消費額が収録されています。
生鮮三品

 アクティブシニア

2025年には人口の3分の1がシニア層になると言われています。マーケティングの対象としてこのボリュームは無視できないでしょう。各業界でシニアマーケティングが意識されています。
シニアの一般的な定義は65歳以上人口です。各高齢者が元気かどうかは誰にもわからないと思いますが、介護認定を受けていない高齢者だろうと仮定して、以下の組み合わせが可能です。
アクティブシニア

 家庭内介護力指数

現在の日本の介護政策において、自助・共助・公助という言葉があります。公助は国や自治体が推進する介護制度のことです。自助は自分の健康は自分で気を使うということで、健康寿命の延伸がテーマとなっています。共助は家族など自分や公的機関ではない周りの人で助け合っていこうという考え方です。家庭内介護というのは共助にあたりますが、家庭内介護力がある世帯は有料老人ホームに入居するというよりも、訪問介護やデイサービスを上手く利用して住み慣れた自宅で生活するでしょう。
家庭内介護力指数

ごく一部でしたが、データ項目を組み合わせて自社のターゲット像を定義する事例をご紹介しました。
データやシステムを使ったマーケティングは日々進化していますが、このような発想や工夫というのも、マーケティングのノウハウとして重要な観点ではないでしょうか?

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